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1999 年度 実績報告書

自動車排出ガス中の微小粒子が小児の気道過敏性に及ぼす影響に関する疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670336
研究機関千葉大学

研究代表者

島 正之  千葉大学, 医学部, 講師 (40226197)

研究分担者 安達 元明  千葉大学, 医学部, 教授 (50009148)
キーワードピークフロー / 1秒量 / 血清IgE / 自動車排出ガス / 浮遊粒子状物質 / 二酸化窒素 / 幹線道路
研究概要

自動車交通量の多い幹線道路沿道に位置する小学校の4年生のうち,保護者の承諾が得られたものを対象に,ピークフローおよび1秒量の自己測定,血清総IgE,ダニ特異的IgE抗体の測定を行った。肺機能測定は,各校ごとに22日間,起床時と就寝前に実施し,検査前72時間平均の大気汚染物質濃度との関連を検討した。
ピークフロー1秒量の自己測定は175名,採血は168名について実施し,両者の結果が得られたのは146名である。ピークフロー値と二酸化窒素(NO_2)の検査前72時間平均濃度との関連は,起床時11名,就寝前5名で有意な負の相関が認められ,大気汚染レベルの増加により肺機能値が低下することが示された。浮遊粒子状物質(SPM)濃度との関連は,起床時11名,就寝前4名で有意な負の相関が認められた。1秒量は,NO_2濃度との間に起床時10名,就寝前6名,SPM濃度との間に起床時10名,就寝前8名で有意な負の相関が認められた。
喘息・喘鳴症状を有するものは51名であり,このうち起床時の肺機能値がNO_2濃度の増加により有意に低下したものは21.6%,SPM濃度の増加により有意に低下したものは19.6%であり,症状のないもの(それぞれ8.1%,8.9%)に比して有意に高率であった。また,血清総IgE高値のもの,ダニ特異的IgE抗体陽性のものも,起床時の肺機能値が大気汚染レベルの増加により有意に低下するものの割合が高かった。就寝前の肺機能値の変化と喘息・喘鳴症状の有無,血清lgE値との関連は認められなかった。
以上より,喘息・喘鳴症状を有するもの,血清lgE高値のものは自動車排出ガス由来の大気汚染物質への曝露により気道閉塞が起こりやすいことが示唆された。対象数を増やすとともに,これらの変化とアレルギー素因,気道過敏性との関連を検討する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 桜山 豊夫: "学童の肺機能およびその成長に及ぼす大気汚染の影響についての考察"千葉医学雑誌. 76巻3号(発表予定). (2000)

  • [文献書誌] Shima M: "Serum complement levels in children in communities with different levels of air pollution in Japan"Archives of Environmental Health. 54巻4号. 264-270 (1999)

  • [文献書誌] 丸山 浩: "環境の変化が学童の呼吸器に及ぼす影響についての長期的観察"千葉医学雑誌. 76巻1号. 13-22 (2000)

  • [文献書誌] 岩崎 明子: "小児の気管支喘息症状有症率の動向と環境要因に関する研究"千葉医学雑誌. 75巻5号. 253-262 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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