研究概要 |
1989年より追跡している山梨県東山梨郡の3町村の30才以上の住民について、1999年までの死亡データと町村の健康診断データの一部及びベースラインデータ(生活習慣調査票)約9,000件をリンケージさせて分析を行った。89〜99年までの11年間の死亡は男676例、女464例で計1140例、転出は379例であった。死因はがん374例(その内胃がん91例、肺がん64例)、心疾患202例、脳血管疾患149例(その内脳梗塞93例)、その他の死因415例であった。今年度から脳梗塞、胃がん、肺がん死亡の分析が可能となり、各死因のリスク要因を年齢調整した上で、性別に食習慣、飲酒・喫煙習慣、運動習慣、健康診断結果等について比例ハザードモデルによる多変量解析を行った。胃がん死亡(男)でな菜っぱ「ほとんど食べない」に対して「月1回以上」のハザード比が0.2(95%信頼区間:0.1-0.95)と低く、魚「週に2回摂取以下」に対して「週3-4回」は2.8(1.1-7.3)、山菜「食べない」に対して「毎日」が4.3(1.4-12.5)と高かった。1日に「ほとんど歩かない」に対して「30分以上歩<」が0.4(0.2-0.8)と低かったが、週に「ほとんど運動しない」に対して「週5時間以上」が2.4(1.1-5.3)と高かっ、た。胃がん死亡(女)ではトマト「食べない」に対して「週1回」が0.2(0.1-0.8)と低かった。肺がん死亡(男)は海草「食べない」に対して「毎日」が0.3(0.1-0.9)と低かった。肺がん死亡(女)は関連が認められる項目はなかった。脳梗塞死亡(男)は「飲酒習慣なし」に対して「過去に飲酒」でハザード比2.3(1.1-5.1)、睡眠時間「7-8時間/日」に対して「9時間以上」が2.0(1.1-3.8)と高く、チーズ「食べない」に対して「月1-2回」が0.3(0.1-0.9)、和菓子「食べない」に対し「月1-2回」が0.1(0.0-0.7)と低かった。脳梗塞死亡(女)は「運動しない」に対して「週1時間以上」で2.0(1.0-4.3)と高く、漬け物「食べない」に対して「毎日」が0.3(0.1-09)と低かった。これまでの報告と矛盾した成績もあり、今後文献調査など詳細な検討を行う予定である。
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