研究課題/領域番号 |
11670353
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平柳 要 日本大学, 医学部, 助教授 (20189864)
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研究分担者 |
谷島 一嘉 日本大学, 医学部, 教授 (40010029)
岩崎 賢一 日本大学, 医学部, 講師 (80287630)
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キーワード | リラクゼーション / 脳波 / 自律神経 / 内分泌 / 生体情報 |
研究概要 |
脳波や自律神経活動ならびにストレス関連の内分泌ホルモンを主体にしたストレス関連パラメータのうちで、測定が比較的容易でストレス応答性も比較的高い幾つかのパラメータを有効に組み合わせてリラックス度を評価する。そのため、通常の椅座位安静時、リラクゼーション誘導刺激時および不快刺激時における各種の検査・測定で得られるパラメータから、どのような組合せを用いれば、リラックス度が最も効率的かつ、客観的に評価できるかを検討した。椅座位安静時、リラクゼーション誘導刺激時および不快刺激時において、健常若年成人9名を対象に、脳波(大脳皮質活動)、心拍-血圧変動(自律神経活動)および副腎系ホルモン(内分泌反応)などの検査・測定を行い、できるだけ少ないパラメータの組合せで、できるだけ寄与率の高いリラックス度評価を成し得る判別関数式を構成した。リラックス度の高低を判別するのに有効なパラメータをF検定(帰無仮説:各パラメータの係数がゼロである)で調べたところ、呼吸数(bpm)、心拍変動の高周波帯(0.15〜0.4Hz)パワー(ms^2)および唾液中のコルチゾール(μg/dl)の三つの変量が抽出された。判別関数zは、z=-1.63×呼吸数+0.005×心拍変動の高周波帯パワー+4.74×唾液中コルチゾール+0.11であり、マハラノビスの汎距離を用いた場合の誤判別率は17.8%であり、判別率は82.2%であった。このリラックス度の評価式は、メンタルストレスの客観的評価に利用できることはもちろんのこと、ストレス感受性の高い人がバイオフィードバックなどの訓練によって、ストレス抵抗性の増強をはかる際のリラックス度を評価する目安としても役立つものと考えられる。
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