研究課題/領域番号 |
11670355
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
植木 絢子 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10069031)
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研究分担者 |
友国 晶子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30278957)
兵藤 文則 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80069070)
大槻 剛己 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (40160551)
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キーワード | 珪酸症 / 自己抗体 / HLA型 |
研究概要 |
珪肺症患者に合併する自己免疫疾患を中心に、珪酸および珪酸塩化合物による免疫異常を惹起するリスクファクターを、可能な限り列挙して、できれば系統的にまとめることを目的とする。現在までに、200名程の珪肺症患者について、本人の同意を得て末梢血液の供与を受け、各種自己抗体の有無とHLAタイピング(HLAclassIIについて)を行って来た。珪肺症に合併するとの報告が認められない幾つかの自己抗体、抗トポイソメラーゼ抗体、ANCA、pemphigus抗体、抗ss-A、抗ss-B抗体、抗βおよびγ-tubulin抗体などが、かなり高率に合併することを認めたので、一部を発表し、一部は発表準備中である。これらの患者について、各自己抗体を伴うリスクファクターを調べるため、性別、年令、曝露年数等の他に、HLA型との関連について検討中である。一部の自己抗体は、HLADQB1の型に関連し、今までの報告以外にも日本人特有の型に関連することが判明して、現在報告中である。HLA分子はT細胞に抗原提示をする上で不可欠であり、この部分のアミノ酸組成の差すなわちHLA型の差によってリンパ球活性化物質の結合能が異なり、免疫反応に差が出るものと思われる。HLAタイピングは臓器移植のドナーにもレシピエントにも行われる検査であり、この測定データが個人の不利(又は有利)をもたらすことは今のところ考えられない。従って、珪酸曝露に伴って出現する自己抗体とHLA型について更にデータ解析を進めており、強い関連性がみられる因子についてはリスクファクターの一つとして、新職員にチェックを行い、リスクファクターと思われる因子を一つ以上持っている場合には、曝露の少ない作業に配属する等の処置をとって疾病予防に役立つことを目標としてまとめを行っている。
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