研究概要 |
1)in vitroにおけるfree fatty acid(FFA)刺激による反応 Wistar系雄性ラット(10週齢)をランダムに2群に分け、糖質の摂取比10%(低糖質食)と60%(高糖質食)の試験食をそれぞれ3日間処方(pair-feeding)した。3日間投与の翌日午後3時に麻酔下で屠殺、膵臓を摘出後、ランゲルハンス島を分離した。ランゲルハンス島をin vitroで種々の濃度のFFAで刺激、glucose-stimulated insulin responseを観察した。その結果、FFA刺激により、低糖質食群のインスリン分泌能が有意に低下した。 2)in vivoにおけるFFA刺激による反応 Wistar系雄性ラット(10週齢)をランダムに2群に分けた。それぞれのラットに対し、FFA(20%,Intralipid)または生理食塩水を3.0ml/rat x3回/日x3日間、腹腔内投与した。最終投与の翌日の午後3時(空腹時)に経腹腔内糖負荷試験を施行した。その結果、FFA刺激による耐糖能・インスリン分泌量(insulinogenic index)およびインスリン感受性(homeostasis model assessment)の変化は観察されなかった。 3)加齢と低糖質食摂取による「耐糖能」と「血漿FFA濃度」の変化 10,20,40,60,80週齢のSD系雄性ラットに低糖質食または高糖質食を7日間連続処方し、最終投与の翌日午後3時に経口糖負荷試験を施行した。その結果、週齢の進行にともない低糖質食摂取群の耐糖能が悪化していった。さらに、空腹時血漿FFA濃度も漸増していった。FFA濃度の増加が、耐糖能悪化の原因と考えられた。
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