研究課題/領域番号 |
11670365
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
金子 誉 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (10233876)
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研究分担者 |
王 培玉 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10283201)
前田 秀一郎 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10117244)
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キーワード | Type 2 diabetes mellitus / Carbohydrate / Glucose-fatty acid cycle / Rat / Glucose tolerance / Insulin secretion / Insulin sensitivity |
研究概要 |
1.膵島における脂質代謝の測定(in vitroの実験) Wistar系雄性ラット(10週齢)をランダムに2群に分け、糖質の摂取比10%(低糖質食)と60%(高糖質食)の試験食をそれぞれ3日間処方(pair-feeding)した。3日間投与の翌日午後3時に麻酔下で屠殺、膵臓を摘出後、ランゲルハンス島を分離した。ランゲルハンス島をin vitroで種々の濃度のFFAで刺激した後、triglycerideの濃度を定量した。その結果、FFA刺激により、低糖質食群のtriglycerideの分解速度が有意に亢進した。 2.Glucose-fatty acid cycleにおけるkey enzymeの活性測定 Wistar系雄性ラットをランダムに2群に分け、低糖質食と高糖質食をそれぞれ3日間処方した。3日間投与の翌日午後3時に麻酔下で屠殺、肝臓と膵臓を摘出した。肝臓と膵臓のglucokinaseおよびpyruvate dehydrogenaseの活性を測定した。その結果、両酵素ともその活性には群間の差は観察されなかった。 3.実験の総括 ラットに3日間以上、低糖質食を処方することによって、耐糖能が悪化、同時に空腹時血漿FFA濃度が増加する。これは、Glucose-fatty acid cycleにおける脂質代謝の亢進によって、FFAの産生が亢進するためである。さらに、FFAの刺激によって膵島のインスリン分泌能が低下し、体組織のインスリン感受性が低下することが、低糖質食摂取による耐糖能悪化のメカニズムと考えられた。
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