研究概要 |
1.Wistar系雄性ラットに低糖質食と高糖質食を1日、3日、7日間投与し、経腹腔内糖負荷試験を施行した。その結果、3日間以上の低糖質食の処方によって、耐糖能が有意に悪化した。また、空腹時の血漿free fatty acid(FFA)濃度の増加とinsulinogenic indexの低下も伴っていた。 2.同ラットに低糖質食と高糖質食を3日間投与後euglycemic hyperinsulinemic clamp法を施行した結果、低糖質食群のインスリン感受性が低下した。同様に両試験食を3日間投与後、膵島を分離しglucoseで刺激後のインスリン分泌を測定した結果、低糖質食群において有意に低下した。同様に、分離膵島をFFAで刺激後glucose-stimulated insulin responseを観察した結果、低糖質食群のインスリン分泌能が有意に低下した。さらに、分離膵島をFFAで刺激後triglyceride濃度を定量した結果、低糖質食群のtriglyceride分解速度が亢進した。 3.同ラットに対し、FFAまたは生理食塩水を投与した後、経静脈内インスリン負荷試験を施行した結果、FFA刺激によりインスリン感受性が低下した。 4.同ラットに低糖質食と高糖質食を3日間処方した後、肝臓と膵臓を摘出した。肝臓と膵臓のglucokinaseおよびpyruvate dehydrogenaseの活性を測定した結果、両酵素ともその活性には群間の差は観察されなかった。 5.10,20,40,60,80週齢のSD系雄性ラットに低糖質食または高糖質食を7日間連続処方した後、経口糖負荷試験を施行した。その結果、加齢に伴い低糖質食摂取群の耐糖能が悪化、空腹時の血漿FFA濃度も増加していった。
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