研究課題/領域番号 |
11670366
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
荒木田 美香子 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50303558)
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研究分担者 |
森 昭三 岩手大学, 教育学部, 教授 (30032767)
金森 雅夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90127019)
松本 友子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40157376)
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キーワード | 不登校 / 家族システム / 精神健康度 / ソーシャルサポート / ストレス対処能力 / 自己肯定感 |
研究概要 |
対象と方法:不登校発生の予防対策を検討することを目的とし、不登校の発生率の高い地域2市4中学校、比較的低い地域3町4中学校の1年生ならびにその保護者を対象として、平成11年11月に留め置きによる質問紙調査を実施した。回収率は、生徒は92%、母親は85%、父親は78%であった。質問の内容は、精神健康度、自己肯定感、ストレス対処能力、家庭システムなどに関するものであった。 結果:精神健康度では、中学生の51.0%、父親の31.5%、母親の48.7%が「不調」の範囲に入っていた。中学生の精神健康度と自己肯定感、ストレス対処能力は有意な相関関係が認められた。また、中学生、父親、母親のそれぞれにおいて、家族の凝集性が強すぎる群と弱すぎる群では精神健康度が有意に低いことが認められた。中学生では家族のリーダーシップがはっきりしていて融通がきかない群と、リーダーシップを取るものがいない群では、やはり精神健康度が低かった。保護者と中学生の相互作用については、父親の精神健康度と中学生のそれは関係が認められなかったが、母親の精神健康度と中学生のそれは有意な正の相関関係が認められた。また、父親の自己肯定感と中学生のそれは有意な正の相関関係が認められた。学校間・地域間の差も多くの項目で認められた。特に学校間で家族システムや親、友人、学校のソーシャルサポートの得点に有意な差が見られる。「最近1年間でいじめられた経験がある」と答えた者の割合は、21.4%から10.8%と学校間で格差が認められた。 今後の展開:平成12年3月に生徒の欠席日数調査を実施するとともに、学校側が配慮が必要と考えている生徒について、養護教論からヒヤリングを行う。また、2年次の質問調査を10月から11月に実施する予定である。
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