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1999 年度 実績報告書

新しいフロン代替物質1-ブロモプロパンの生殖毒性、神経毒性の作用機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670367
研究機関名古屋大学

研究代表者

市原 学  名古屋大学, 医学部, 助教授 (90252238)

研究分担者 柴田 英治  名古屋大学, 医学部, 助教授 (90206128)
那須 民江  信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
竹内 康浩  名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
山田 哲也  名古屋大学, 医学部, 助手 (90303635)
上島 通浩  名古屋大学, 医学部, 講師 (80281070)
キーワード1-ブロモプロパン / クレアチンキナーゼ / スルフヒドリル基 / グルタチオン / 中枢神経 / 酵素免疫法 / ヒートショック蛋白 / 神経毒性
研究概要

32匹のWistar系雄ラットを8匹ずつ4群に分けた,3つの群には各々200ppm、400ppm、800ppmの1-BPを1日8時間、7日間曝露した。対照群には新鮮空気のみを与えた。曝露終了後大脳、小脳、脳幹、脊髄(横隔膜の高さより上位2センチ)中のCK、GOT、LDH活性および酵素免疫法によるCK-B、CK-M、Heal shock protein27濃度、ならびに蛋白SH基、非蛋白SH基。グルタチオンを測定した。SH基はエルマン試薬(DTNB)を用いて、総グルタチオンはEnzymatic cycling法によって測定した。対照群と各曝露群との比較はANOVAの後、ダネットの多重比較法を用いて行った。総CK活性は全部位で量依存的に低下した。酵素免疫法によるCK-B量は大脳では低下し、小脳では変化がなく、脳幹、脊髄では逆に増加した。大脳、小脳、脳幹では非蛋白SH基が量依存的に減少したが、総グルタチオンは大脳、小脳のみで有意な減少を示した。脊髄では非蛋白SH基、総グルタチオンは量依存的に増加した。蛋白SH基はいずれの部位でも有意な差は示さなかった。総CK活性が全ての部位で減少したにも関わらず、CK-B量は小脳、脳幹、脊髄においては減少をしめさなかった。唯一減少した大脳においても800ppmで総活性が40%の低下(対照比)であるのに対し、CK-B量は20%の低下であった。総活性の低下は、大脳では一部、他の部位ではほとんどが酵素阻害によることが示唆された。大脳、小脳、脳幹で非蛋白SH基が減少したのは、1-BPまたはその代謝物のSH基に対する修飾作用を示唆している。脊髄のみで非蛋白SH基とグルタチオンが増加した原因は不明である。蛋白SH基が変化しなかったことは、1-BPまたはその代謝物が生体内では蛋白のすべてのSH基に接近できないことを意味しているのかもしれない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yu X,Ichihara G,Kitoh J et al: "Effect of inhalation exposure to 2-bromopropane on the nervous system in rats."Toxicology. 135. 87-93 (1999)

  • [文献書誌] "2-Brompropane causes ovarian dysfunction by damaging primodial follicles and their oocytes in female rats."Toxicol Appl Permacol. 159. 185-193 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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