研究課題/領域番号 |
11670369
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 茂樹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00273673)
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研究分担者 |
福田 英輝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70294064)
中西 範幸 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90207829)
多田羅 浩三 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20107022)
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キーワード | 脳卒中登録 / 老人保健 / 入院医療 |
研究概要 |
地域における脳卒中登録事業は、ねたきり防止対策としても重要であり、全国の保健所について調査したところ、早い地域では昭和40年代から保健所を中心とした取り組みを開始していた。 また、保健所単位に年間の脳卒中報告件数を求め、老人健康保険のデータを元に老人医療需給対象者1人あたりの入院医療に関する各指標との関連について検討した結果、報告件数が多いところほど、(1)入院件数が少ない(2)入院日数が短い、(3)1日あたりの入院医療費が高い、(4)トータルの入院医療費が低い、という傾向を認めた。 この傾向は、人口高齢化率・人口10万対医師数・人口10万対病床数・保健所型・財政力指数等による補正を行った重回帰分析でも、同様であった。 一方、脳卒中報告件数と入院外医療に関する各指標との関連について検討した結果では、報告件数が多いほど通院件数が多かったが統計学的に有意な差ではなく、脳卒中登録以外の保健指標として基本健康診査受診率が入院外医療費を低減させる因子として認められた。 これらのことから、脳卒中登録は特に入院医療に影響を及ぼし、登録が盛んな地域では、入院そのものが減少入院期間は短縮し、入院医療の内容充実とともに、主として入院件数の減少による医療費低減効果が現れていると考えられ、保健と医療の連携の結果ではないかと推察された。
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