研究課題/領域番号 |
11670374
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
青柳 潔 長崎大学, 医学部, 講師 (80295071)
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研究分担者 |
千住 秀明 長崎大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30179361)
進藤 裕幸 長崎大学, 医学部, 教授 (30107677)
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
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キーワード | 変形性関節症 / 加齢 / 危険因子 |
研究概要 |
地域在住中高年女性を対象に、変形性関節症・関節通に関する調査を行い、その危険因子について検討している。本年度は長崎県大島町の50歳以上女性474名の調査を終えた。対象者に対し、肩、肘、手、手指、股、膝、足、足趾、頸、背部、腰部の各関節の最近1ヶ月間の痛みの有無を聞き取った。立位両膝正面のレントゲン写真を撮影し、関節腔の狭小化、骨硬化、骨棘、骨嚢胞の有無により変形性関節症の有無を診断した。身長、体重を計測し、肥満度の指標として、body mass index (BMI)(kg/m2)を計算した。最も痛みの多かった関節は膝(34.9%)だった。次いで、腰部(19.9%)、背部(13.1%)、肩(12.9%)の順だった。また、膝、肩、背部痛では、年齢が高くなるほど訴えが多かった。レントゲン診断による変形性膝関節症の有病率は全体で40.8%だった。50歳で変形があった者は約2割だったが、年齢が高くなるに従ってその頻度は有意に増加し、80歳代では約8割の女性に変形が認められた。膝関節のレントゲン上変形があり、かつ最近1ヶ月間膝関節痛を有していた者(有症状関節症)は、全体で、21.2%だった。有症状関節症の頻度は50歳代では約1割であったが、年齢が高くなるとともにその頻度は有意に増加し、80歳代では約4割だった。ロジスティック回帰分析を用い、レントゲン診断による変形性膝関節症を従属変数、BMI、膝関節外傷の既往を独立変数として、年齢調節オッズ比を求めた。BMIのオッズ比は1.8(95%信頼区間 1.4-2.2)、膝関節外傷の既往のオッズ比は4.6(95%信頼区間2.4-8.6)で共に有意だった。変形性膝関節症の危険因子として、肥満、外傷の既往が考えられた。次年度も同様の調査を継続し、対象者を増やし、再解析する予定である。
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