研究課題/領域番号 |
11670375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永田 耕司 長崎大学, 医学部, 講師 (60253647)
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研究分担者 |
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | メンタルヘルス対策 / 職場のストレス / カウンセリング / メンタルケアシステム / コミュニケーション / ロールプレイ / 健康教育 / QUESTIONNAIRE |
研究概要 |
【はじめに】平成10年度の自殺死亡者数は3万人を越えている。特に、男性は50歳代6103名と最も多く、中高年男性の自殺死亡者が増えている。このような中で職場のメンタルヘルス対策に対する効果的なアプローチ法を検討するために、全国都道府県・市町村・民間などに職場におけるメンタルヘルス状況や対策の実施内容、その評価などについて、2000年4月アンケート調査を実施した。 【対象と方法】調査票は自治体など3295職場、及び全国消防職員協議会(全消協)168組織に配布して、1594(46.0%)職場から回答があった。その内、団体記載などの記入漏れ18を除いた1575(45.8%)を有効回答とした。回収率は都道府県72.8%、政令市81.8%、特別区3.8%、市63.2%、町村45%、民間企業16.9%等であった。また小規模職場でリスナー研修など、いくつかの健康教育とメンタルケアを2年間行った。メンタルヘルス対策の効果を評価するために、職員全員に対策実施前後の愁訴の比較検討を行った。 【結果】1)職場でのストレスは85.0%増えていた。逆に「減っている」はわずかに0.1%であった。2)「メンタルヘルスに関して問題になっている」と47.6%が回答していた。3)身体疾患以外で長期休む職員について36.7%、体調不良を訴える職員については60.0%が増えていた。4)ストレス要因で「業務の量のストレス」「業務の質のストレス」「職場の人間関係ストレス」「人員削減に関すること」が高率だった。5)メンタルヘルス対策は20.1%が実施していた。しかし、その対策が「うまくいっている」と回答していたのはわずかに5.0%であった。6)効果的な対策としては、「相談窓口をつくる」「研修会を開催する」であった。7)300人の職場研修でリスナー研修、ロールプレイ演習、グループワークを行った。また質問紙で多愁訴群の呼び出し面談を行った。その結果対策前よりも対策実施後の訴えが全般的に低下していた。メンタルケアのための相談体制づくりやロールプレイなどを取り入れた健康教育は職員の愁訴の低下につながり、メンタルヘルス対策として有効であることが示唆された。
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