研究課題/領域番号 |
11670378
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
秋坂 真史 茨城大学, 教育学部, 教授 (60231817)
|
研究分担者 |
具志堅 美智子 琉球大学, 医学部, 助手 (10305196)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2002
|
キーワード | 沖縄 / 百歳(百寿者、centenarian) / 長寿(老化、加齢、エイジング) / 縦断研究(縦断的研究) / 健康診断(健康調査) / 臨床検査(血液検査) / 予後 / ADLとQOL |
研究概要 |
我が国は世界の中でも最長寿国と言われ、さらに百寿者(百歳者)率が高いことが知られている。しかし、百歳者の予後がいかなる因子と相関をもつのかについては、今なお明らかにされていない。そこで、どのような因子が長寿者の予後に影響を及ぼすかを調べることを本研究の目的とした。 対象は沖縄県で主に当該年度に百歳に達した者である。施設者と在宅者を選び、毎年最低30名程度を予定し4年間の縦断調査とした。方法は、訪問によって百歳者の健康診断(長寿者健診)を行った。日常生活自立度(ADL)、痴呆度等の検査等も行った。 その結果、血液学的に初年度と最終年度の結果との間に全体的に予後で有意差がみられた(P<001)。標準化された正準判別関数係数で予後に関わる大きな値を示した項目は、A/G比、血清電解質、ヘモグロビン、総蛋白、肝機能、そして血清蛋白電気泳動項目、血清アルブミン濃度、グロブリン濃度、総蛋白濃度、IgG、IgA、IgMであった。 身体的ADLはよくない例が多くみられた。ただ、食事や排泄等の最低限の自立度は保たれている者もおり、客観的にみるよりも主観的健康観が高い者が多かった。自立度ランクでは、正常もしくは軽度の自立性を保っている者が、縦断的にみた場合生存者の半数も占め、予後に大きな影響のあることを示した。痴呆度では、今回とくに影響が大きかったのは、「3つの言葉の記銘」と「年齢」であった。 これらのことは、必ずしも中高年での生死または予後に大きな影響を与えるとされる臨床検査項目が、そのまま百歳者あるいは長寿者の予後に影響を与えるとは限らないことを示唆する。
|