本研究は、若齢(青年期)と老齢(初老期)ラットを用いて、中枢神経系のレセプターの変化を指標にして、トルエンの慢性曝露影響からの回復過程を比較検討しようとするものである。 平成12年度に計画実施した「老齢ラットにおけるトルエン慢性曝露打ち切り3日後、2週間後、4週間後の中枢神経系各部位のレセプターのbinding assay」は、サンプル数が極めて多数であるために、平成12年度に引き続き平成13年度も、-80℃の超低温槽に保存された多数のサンプルの測定に取り組んだ。しかし、若齢ラットの場合とは異なり、レセプターの数が少なく且つ個体差も大きく、ホモジェネートを全量使用して測定しなければならない場合も多く、測定した結果がデータにならない例もあり、測定に於いて多難を極め計画当初の予想以上に時間を要している。全サンプルの測定が完了したら、若齢と老齢ラットについて得たScatchard解析の結果を総括し統計学的に両群の比較検討を行う予定である。
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