本研究は、首都圏にある大都市を代表する横浜市(人口340万人)に勤務する公務員などの職域集団に注目した都市部在住者を対象とした生活習慣および環境要因と健康に関するコホート研究である。身体的側面ならず、心理社会的側面(ストレス、QOL)にも注目した生活習慣と健康に関するアンケート調査と定期健康診査結果を評価して、様々な健康指標との関連を分析するものである。 アンケート調査票は、英国の国家公務員を対象としたWHITEHALL Studyで用いられた調査票を日本語に翻訳したものをもとにして作成した。心理社会的側面の評価には、健康関連QOLの測定のために開発されたSF-36(Medical Outcome Study Short Form 36 Health Survey)の日本語版(福原俊一京都大学教授監修)などの信頼性、妥当性が確立された方法を用いた。内容は、属性に関する質問(問1-16)、健康に関する質問(問17-46)、生活習慣に関する質問(問47-52)、仕事に関する質問(問53-64)、性格に関する質問(問65-68)、社会生活に関する質問(69-84)、健康診査結果に関する質問(問85)の8項目よりなる。 はじめのアンケート調査対象集団として大学病院看護部職員574名を対象とした。回答者数は452で、回答率は78.7%と高率であった。現在、集計解析作業が進行中であり、結果については、職員の健康管理に役立てていき、さらに、対象集団を広げていく予定である。
|