研究概要 |
口頭発表 1)T.SAITO, T.Sekine, E.Kurisu ; Follow-Up Study of Mental Health in Patients with Thalidomide Embryopathy, for the World Assembly for Mental Health 2001, Vancouver, BC, Canada from July 22-27, 2001. 8. 2)齋藤高雅、関根剛:サリドマイド胎芽病者の心理テスト(その2)-HTPテスト-、第17回日本精神衛生学会抄録集(札幌), p66, 2001. 10. 1)現在まで実施継続している帝京大学病院精神科でのサリドマイド胎芽病者総合精密検診は総検診者数182名(59.7%)に至っている(複数回検診者を除く)。それらの検診結果のうち、心理検査結果を整理し、その一部(HTPテスト)を発表した。主として、四肢障害者群および聴力障害群の心理的特徴を抽出した。1)「手」と「耳」の描写から、男性像では「手の省略」「ポケットに入れた手」「耳の省略」が多くみられた。女性像では「手を後ろに回している」ものが、多く見られ、「手へのこだわり」と考えられた。2)これらの描画特徴は、同性像で有意にみられ、異性像では見られなかったところから、いわば自己イメージが投影されているものと考えられた。(口頭発表2)) 2)これまでの調査で明らかになった自立困難者、不適応者に対する面接調査は、継続中である。 3)(財)いしずえの協力を得て、平成12年8月、郵送法によって実施したサリドマイト胎芽病患者(平均年齢38.0歳(SD1.1))の精神健康面における質問紙調査結果を発表した。平成6年5月(平均年齢31.7歳(SD1.1))の調査結果と比較し、GHQ-28による精神健康面ので経年変化を追った。1)経時的に見た場合、聴力障害群では有意な変化はみられなかったが、四肢障害群では、GHQ総得点の低下が認められた。2)四肢障害群と聴力障害群との間で、横断的に見た場合、30歳代前半では差はみられなかったが、後半では聴力障害群においてGHQ総得点が高い傾向がみられた。3)GHQ下位尺度別に経時的にみた場合、四肢障害群では「身体的症状」および「不安と不眠」で得点の低下が認められた。一方、聴力障害群では「うつ状態」において得点上昇の傾向がみられた。(口頭発表 1))
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