研究課題/領域番号 |
11670396
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
守山 正樹 福岡大学, 医学部, 教授 (10145229)
|
研究分担者 |
我妻 則明 岩手大学, 教育学部, 助教授 (30132228)
齊場 三十四 佐賀医科大学, 一般教育, 教授 (30264170)
福島 哲仁 福岡大学, 医学部, 助教授 (90208942)
|
キーワード | バリアフリー化 / 中途失明 / 環境認識 / 保有感覚 |
研究概要 |
失明直後,視覚以外の保有感覚が立ち上がり,働き始める時期"に着日し、"立ち上がり"の実際と、その時の "適応と認識の状況"を明らかにすべく、参加的野外実験を行なった。中途失明者はこの時期、不安が強く実験への参加は容易でない。アイマスクを装着した晴眼者を被験者として、以下の各条件下で体験(感じ考えた内容)を連続的に発話させ、マルチチャンネル・レコーダ(申請設備)で記録分析した。 実験1〔静止状態での受動的な環境認識〕特定の空間に3分間滞在中の体験内容を記録分析し、時間が 経過に伴う感覚の変化を明らかにする。 実験2〔移動状態下での能動的な環境的な認識〕各被験者に個人別に介助者をつけた上で、さまざまな場所を歩かせ、体験内容を記録分析する。歩行移動に伴う感覚の変化を明らかにする。 実験3 〔手・触覚による環境との相互作用〕被験者は座位で、身近な空間に置かれた数種類ほどの道具・物体を、三分間、手で探索する。体験内容を記録分析する。 三つの実験を通し、被験者がアイマスク下で環境を認識し始める過程が、複数存在することが示唆された。すなわち、突然に環境全体の様子が"何となく"分かる、という過程と、手がかりが徐々につながって、"少しずつ分かる"という二過程である。この点を二年目以降に探求することが、研究のポイントであろう。 初年度の実験により、被験者によって感じた内容を言語化する能力に個人差が大きいことが伺えた。実験の前に、どのようにして言語化する能力を訓練しておくか、が大きな課題である。
|