研究課題/領域番号 |
11670404
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
勝川 千尋 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (20183725)
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研究分担者 |
鈴木 定彦 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (90206540)
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キーワード | 結核菌 / ピラジナミド / 薬剤感受性試験 / ピラジナミダーゼ / pncA / ダイレクトシークエンス / 遺伝子変異 / 多剤耐性結核菌 |
研究概要 |
1、PZA耐性結核菌株の収集およびPZA感受性試験 前年度に収集した結核菌39菌株(PZA耐性菌9株、感受性菌30株)に加え、さらに多くのPZA耐性菌を得るため、PZAが効果を示さない患者より分離され、耐性化していることが推測される17菌株を収集し、従来法(卵培地法、寒天培地法、液体培地法)によるPZA感受性試験を試みた。分離された患者の薬剤使用歴、PZA投与による効果等を総合的に判断し、11株がPZA耐性であると判定された。 2、PZA耐性結核菌の遺伝子変異の検出 収集した全菌株についてピラジナミダーゼ活性の有無とピラジナミダーゼをコードする遺伝子(pncA)の変異を調べた。ピラジナミダーゼ活性は試験管内でピラジナミドからのピラジン酸産生の有無を検査し、遺伝子変異についてはプロモーター領域を含む領域をPCR法により増幅し、ダイレクトシークエンス法により塩基配列の決定を行い、野生株と耐性株を比較し遺伝子の変異を検出した。その結果、PZA耐性菌20株はすべてピラジナミダーゼ活性陰性であり、遺伝子の変異も認められた(プロモーター領域の変異1株、pncAの変異19株)。これに対して感受性株36株はすべてピラジナミダーゼ活性陽性であり、遺伝子の変異も認められなかった。 本年度の結果は、pncAの変異の検出によりPZA耐性の遺伝子診断が可能になることを示した。次年度以降は、さらに迅速な遺伝子変異の検出法を開発していく予定である。
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