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2002 年度 実績報告書

死亡者の飲酒後経過時間推定に関する法医学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670406
研究機関弘前大学

研究代表者

黒田 直人  弘前大学, 医学部, 教授 (40161799)

研究分担者 篠塚 達雄  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70095610)
村井 達哉  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80129692)
吉岡 尚文  秋田大学, 医学部, 教授 (80108935)
丹野 高三  弘前大学, 医学部, 助手 (20327026)
三戸 聖也  弘前大学, 医学部, 助手 (30312490)
キーワードアルコール / 飲酒後経過時間 / 法医解剖 / 硝子体 / 脳脊髄液
研究概要

平成11年度から本年度にかけて、死体から採取される体液中に含まれるエタノール濃度を測定し、主として飲酒によるエタノールの吸収・分布・排泄が各体液へ時間的に不均衡に起こることに着目して、飲酒後もしくは飲酒終了後から死亡までの経過時間を推定することが可能かどうかについて検討した。
体液中のエタノール濃度測定を行なった酩酊死亡85例について測定した各体液中のエタノール濃度の相関係数は次のようであった。心臓血・大腿静脈血=0.923、心蔵血・尿=0.848、心臓血・脳脊髄液=0.926、心臓血・硝子体=0.796、大腿静脈血・尿=0.860、大腿静脈血・脳脊髄液=0.905、大腿静脈血・硝子体=0.905、尿・脳脊髄液=0.772、尿・硝子体=0.902、脳脊髄液・硝子体=0.872。
飲酒から死亡までの時間が既知の剖検例においては、飲酒後経過時間の短いほど血液と硝子体との濃度比が小さく近い値を示した(但し、血中濃度>硝子体中濃度は0例)のに対して、経過時間の長いものでは大きくなる(血中濃度<硝子体および他)という、当初の予想通りの傾向が確認された。
飲酒後経過時間推定は、1)エタノール濃度差の大きな体液同士の比率と、2)飲酒の時間的状況の明瞭な症例での飲酒後経過時間という2つのパラメーターの比較によって可能になるとの仮説に基づいている。本研究では、特に後者の情報収集について、統計学的に有意な所見を見出すには至るほど症例数が集まらなかったため、実用的な飲酒後経過時間を算出するための具体的なノモグラムを作成は出来なかったが、尚長期にわたる多数の症例収集を行なうことにより算出のための精度向上が期待できると考えられた。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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