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2000 年度 実績報告書

神経剤の非コリン性毒性作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670408
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

長尾 正崇  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80227991)

研究分担者 小山 宏義  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10170408)
前野 善孝  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00145749)
岩佐 峰雄  名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00021452)
キーワードSarin / Soman / organophosphonous agent / rat / brain / MAPK / JNK
研究概要

4〜8週齢のWistarラットにサリン類似物質〔bis(isopropyl methyl)phosphonate,(BIMP)〕(0.4mg/kg)とソマン類似物質〔bis(pinacolyl methyl)phosphonate(BPMP)〕(4.0mg/kg)をそれぞれ静脈内注射し、30分、60分、90分後に屠殺し、それぞれ[30]、[60]、[90]群として脳を摘出した。投与後30分以内に死亡したものは[D]群とし、陰性対照群には生理的食塩水を投与し、[C]群として同様に処理した。各個体の脳をその重量の2.5倍量の緩衝液A(20mM Tris-HCl,pH7.4,0.1mM PMSF,1mg/l leupeptin)中でホモジナイズ後、l.000g10分間遠心した(沈査:P1')。この上清を10.000g60分間遠心後(沈査:P2')、この上清をさらに100.000g60分間遠心してサイトゾル(S)画分を得た。P1'とP2'を1%cholic acidを含む緩衝液Aに懸濁し、一晩振盪混和後、10,000g60分間遠心してそれぞれの上清をP1、P2画分とした。チロシンとスレオニンのdouble phosphorylated proteinの検出は、各画分より抗フォスフォオチロシン抗体あるいは抗フォスフォスレオニン抗体による免疫沈降法によって得た試料について、SDS-PAGEと抗フォスフォスレオニン抗体あるいは抗フォスフォチロシン抗体によるイムノブロッティング法によった。MAPKとJNKの検出は抗フォスフォチロシン抗体による免疫沈降法によって得た試料について、SDS-PAGEと抗pMAPK抗体あるいは抗pJNK抗体によるイムノブロッティング法によった。
チロシンとスレオニンのdouble phospho-rylated proteinの検出では、(S)画分で[60]群をビークとした54kDa付近のリン酸化バンドと41〜45kDaの範囲に微弱な2本のバンドが認められた。MAPKならびにJNKの検出では、両者とも(S)画分の[30]群をビークとして増減した。活性型JNKはP1画分で、[30]、[60]群をビークとした増減を示した。P2画分におけるMAPKは明らかな変化が認められなかった。
これまで、有機リン剤は有機リン酸部分がアセチールコリンエステラーゼの活性中心のセリン残基に結合して酵素活性を失活させ、毒性を発現するとされている。本研究で得られた成績は、BIMPあるいはBPMPが細胞内シグナル伝達の主要な経路を活性化し、非コリン性に毒性を発現することを示しており、有機リン剤の毒性の発現機序を多方面より解析する必要性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Niijima et al.: "The effects of sarin like and soman-like organo phoshporus agents on MAPK and JNK in rat brains."Forensic Sci.Int.. 112(2/3). 171-178 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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