研究概要 |
覚醒剤(MAP)はdopamine neuronの変性及び神経細胞死を引き起こすが、細胞死がapoptosisによるかnecrosisによるか、また、Protein Kinase C(PKC)、glutamate receptorの関与について、ラットのphechromocytoma由来のPC12 cellを用い研究を行った。培養液中に、(1)MAPを添加(1,3,5mM)し、経時的に(6,24,48時間後)の生存率をerythocinBを用いた色素排除法で測定した。(2)MAP添加の24時間後にTUNEL染色により、細胞レベルでのDNAの断片化を測定した。(3)Z-VAD-fmk(caspase inhibitor)、PMA(PKC activator)、calphostin C(PKC inhibitor)、bisindolylmaleimide 1(specific PKC inhibitor)、MK-801(NMDA receptor antagonist)を添加し、その直後に3mM MAPを加え、24時間後の生存率を測定した。その結果(1)MAPによりPC12 cellの生存率は容量及び時間依存的に低下し、細胞死が誘導された。(2)MAPの容量依存的にTUNEL陽性細胞が増加した。(3)MAPによる細胞死はZ-VAD-fmkでほぼ完全に抑制されたことにより、細胞死はapoptosis優位と考えられた。また細胞死がPMAで抑制、calphostin C、bisindolylmaleimide 1で促進、MK-801で抑制された。MAPによるapoptosisは、その過程でのPKC活性化及びglutamate receptorの抑制が細胞の生存を促進する。MAPによる細胞死に対するPKCの保護作用はglutamate receptorを介する。
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