研究分担者 |
黒田 直人 弘前大学, 医学部, 教授 (40161799)
村井 達哉 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (80129692)
舟山 眞人 東北大学, 医学部, 教授 (40190128)
高田 綾 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30245196)
原 正昭 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50129160)
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研究概要 |
平成12度は,乳幼児突然死症候群(SIDS)における心臓イオンチャンネル関連遺伝子のLQT-3遺伝子について解析を実施した. 1.試料:46例の乳幼児の突然死例(SIDS;40例,その他;6例,年齢は4日から生後10ヶ月)の剖検時に採取した血液および健康成人46名(遺伝子解析についての承諾の得られた大学生ボランティア)より採血した血液よりDNAを抽出した. 2.方法:プライマーは,LQT-3遺伝子exon21〜exon24の各exon全長をコードするようintoron配列より設計して合成依頼した.上記DNA試料を用いて各プライマーの組み合わせごとにPCR増幅を実施した.増幅後,アガロース電気流動で増幅の有無を確認後,増幅試料についてSSCP解析およびDNAシーケンシング解析を実施した. 3.結果:乳幼児の突然死群(46例)のLQT-3遺伝子領域におけるSSCP解析結果では,exon21,exon22,exon23では,アブノーマルバンドは検出されなかったが,exon24ではアブノーマルバンドが検出された.さらにシーケンス解析によりexon24のコドン1819におけるTとCの1塩基置換の多型であることが判明した.その遺伝子分布は,コドン1819のTTが11例,TCが25例,CCが10例であった.一方,正常対照群(46例)も同様の結果で,exon24のコドン1819の遺伝子分布は,TTが10例,TCが24例,CCが12例であり,検出した多型頻度分布における乳幼児の突然死群と正常対照群との比較でも有意差は認められなかった. 以上,SIDS症例におけるLQT-3遺伝子との関連性は認められなかった.
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