研究課題/領域番号 |
11670428
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
赤根 敦 関西医科大学, 医学部, 教授 (70202520)
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研究分担者 |
沖井 裕 関西医科大学, 医学部, 助手 (20121915)
吉田 学 関西医科大学, 医学部, 講師 (20122004)
綿引 利充 関西医科大学, 医学部, 講師 (70077692)
吉村 澄孝 関西医科大学, 医学部, 助手 (70167005)
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キーワード | Se式血液型 / ABO式血液型 / MN式血液型 / ハプロタイプ / 逆PCR / 多型 |
研究概要 |
昨年度より開始したSe式血液型(分泌型、非分泌型)遺伝子に関する研究結果(日本人で認められる主要なSeの対立遺伝子、分泌型1種類と非分泌型2種類の塩基配列の確認とallele specific PCR amplification法による簡易検査法の確立)をもとに、本研究テーマである逆PCR法を応用した新しい分析法の開発を試みた。具体的には、3種類の対立遺伝子を3個のプライマーで増幅し、各増幅断片を環状にライゲーションして、さらに対立遺伝子検出用のプライマーで長さの異なる断片として各対立遺伝子を増幅、識別した。これにより逆PCR法による遠隔多型領域の同時分析という手法が、Se式血液型分析にも応用できる、汎用性の高い分析法であることが確認された。 なお、逆PCR法を応用した対立遺伝子分析法においては、最初のPCRで増幅したDNA断片をそのままライゲーションすると、PCRの副反応として余分な塩基が3'末端に付加され、分子内ライゲーションが効率良く起こらないことが従来より判明している。以前に検討したMN式血液型遺伝子型ではそのままライゲーションを行って良好な結果が得られたが、ABO式血液型遺伝子型では最初の増幅断片が長い,(約1.7kb)ため、プライマーに制限酵素切断部位をもうけて、制限酵素で切断し、断端どうしがライゲーションされるように工夫をこらした。しかしこの方法は手順が増えるため煩雑となった。そこでSe式血液型遺伝子では、新しいテクニック、すなわち、最初の増幅断片の末端にMung Bean Nucleaseを作用させて平坦化することで、ライゲーションの阻害を避ける手法を検討した。この分ステップが増えたが、比較的簡便に行える方法であるとともに、逆PCRがより確実に行えることを見出し、逆PCR法による遠隔多型領域の同時分析法の精度と汎用性を高めることができた。
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