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1999 年度 実績報告書

凍死の診断根拠としてのアミロイド前駆タンパクの動態

研究課題

研究課題/領域番号 11670430
研究機関産業医科大学

研究代表者

笠井 謙多郎  産業医科大学, 医学部, 助手 (40169397)

研究分担者 田中 宣幸  産業医科大学, 医学部, 教授 (60126597)
キーワード凍死 / アミロイド前駆タンパク / APP / ストレス
研究概要

まず,アミロイド前駆タンパク(APP)の検出法および定量法を,種々の分析方法を組み合わせ検討した。その結果,諸臓器(肝臓,腎臓,心筋,副腎,脳)のホモジネート遠心上清(15000gx60min)から得られたタンパクを,SDS-PAGEにより分離,Western Blot法によりメンブレンに転写し,酵素抗体法を用いることによりAPPの検出が可能であった。さらに,上記のタンパクをDot Blotし,化学発光法を用いると,APPの高感度な半定量が可能であった。次に,凍死ラットモデルを作製し,上記の諸臓器からAPPの検出・定量を行ったところ,特に脳において凍死の診断上に有用な以下の所見が得られた。モデルラットでは,視床下部,海馬および延髄でAPPの相対的増加が認められた。一方,大脳皮質および小脳では変化がないかあるいは減少する傾向にあった。この変化を週齢の異なるモデルラットで検討すると,大脳皮質,視床下部および延髄では加齢とともに減少するのに対し,海馬および小脳では逆に増加する傾向にあった。この加齢の影響の可能性が示唆される脳におけるAPPの相対的変化は,実際に凍死が比較的高齢者に起こりやすいことと併せて,凍死の診断根拠として重要と考えられた。凍死が疑われる剖検事例からの諸臓器の採取・保存については,本教室において当該研究期間中にその事例がなかったので,死後変化が少なく,凍死以外の死因が確定できたもの14例の諸臓器を対照資料として保存した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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