研究課題/領域番号 |
11670435
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
河野 陽一 千葉大学, 医学部, 教授 (60161882)
|
研究分担者 |
下条 直樹 千葉大学, 医学部, 助手 (40221303)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | 食物アレルギー / アトピー性皮膚炎 / 気管支喘息 / ホーミングレセプター / T細胞 / 臍帯血 / 接着因子 / flow cytometry / cord blood / T cells |
研究概要 |
1.ダニをアレルゲンとする気管支喘息患者を症状の強さによって2群に分け、ダニアレルゲン刺激によって末梢血T細胞上に誘導されるα4インテグリンの発現をフローサイトメトリーにて解析した。その結果、α4インテグリン発現の程度は喘息の活動性と相関していることが明らかとなった。すなわち、アレルゲンに反応するT細胞上のホーミングレセプター発現は疾患活動性に重要な因子であることが示唆された。 2.牛乳または鶏卵アレルギーによるアトピー性皮膚炎患者の末梢血単核球をαSカゼインまたはオボアルブミンで刺激して7日後にCD3陽性T細胞上に発現するαEβ7インテグリンおよびCLAをフローサイトメトリーにより解析した。その結果、有症状の食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎患者において食物アレルゲン刺激によるT細胞上CLA発現が認められたのに対し、食物アレルギーが寛解した患者では食物アレルゲン刺激によるT細胞上CLA発現は観察されなかった。すなわち、アレルゲン刺激T細胞上のCLA発現は食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎の疾患活動性を反映していると考えられた。食物アレルゲン刺激によるαEβ7インテグリンの誘導は認められなかった。 3.臍帯血T細胞を牛乳中の主要な蛋白であるαSカゼインで刺激するとすべての臍帯血T細胞は増殖したことから、出世時にほぼすべての乳児には牛乳抗原を認識するT細胞が存在すると考えられる。しかしながら、αSカゼイン刺激でT細胞上に表面にαEβ7インテグリンが誘導された乳児のみが、生後3-6ヶ月時に調製粉乳の摂取でアトピー性皮膚炎を発症していた。また、臍帯血T細胞上にCLAの発現は誘導されなかった。以上から、乳児期のアトピー性皮膚炎の発症にはCLAではなく、αEβ7インテグリンの関与が重要であり、また臍帯血を用いて食物アレルギー患者を予知・予防できる可能性が示された。
|