研究概要 |
(1)変異TAP2遺伝子の作製. 贈与されたTAP2^*BcDNAをpBluescriptベクターに挿入し、オリエンテーションを確認した。作成したプラスミドにShuldier.A.R.et al(Analyt.Biochem.194,9-15,1991)に従い突然変異を導入した。nucleotide number 1,729(A→Gの変異導入)と、nucleotide number 170との近傍で両方向に重なり合うプライマーを作成し、cDNAとベクターのPCR片を作成後、両者を混ぜてoverlap extensionを行った。このようにTAP2^*Bky2に特有の置換(エクソン9のコドン577がMet→Val)を入れた変異遺伝子を作製し、全核酸配列を確認した。 (2)TAP1,TAP2cDNAの作製. pREP7のベクターにTAP1,pREP9のベクターにTAP2^*B,又はTAP2^*Bky2cDNAを挿入し、3種類のcDNAを作製した。selection markerとしてG418とhygromycinを選択し、薬剤濃度とエレクトロポレーション時の電圧などの条件の基礎的検討を行った。結果、電圧は220V、975μF、薬剤濃度はG418は1mg/mlでhygromycinは0.2mg/mlの濃度が至適であることを決定した。 (3)変異TAP2遺伝子導入細胞株の樹立 TAP遺伝子欠損細胞株T2に、エレクトロポレーション法により、TAP1遺伝子とともに、変異TAP2遺伝子あるいはwild type TAP2遺伝子を導入し、TAP2遺伝子のcodon577部分のみが異なる細胞株作製を行っている。現在までのところ、両者がうまく導入でき、長期間安定して生存するトランスフェクタントは得られていない。ベクターや条件も含め、再検討中である。
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