研究課題/領域番号 |
11670461
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
冨岡 玖夫 東邦大学, 医学部, 教授 (20009632)
|
研究分担者 |
落合 賢一 東邦大学, 医学部, 助手
鏡味 勝 東邦大学, 医学部, 助手 (50233656)
|
キーワード | CD34陽性細胞 / 好酸球 / IFN-γ / JAK2 / CD69 / SCF / GM-CSF |
研究概要 |
臍帯血幹細胞由来誘導好酸球および末梢血好酸球を用いて、好酸球分化に伴うIFN-γ受容体発現の変化、各分化段階毎のIFN-γ受容体を介するシグナル伝達機構の検討を行い、好酸球の分化・生存の制御機構を明らかにすることを目的として研究を行い以下の結果を得た。 1.CD34陽性細胞からの臍帯血誘導好酸球では、IFN-γ受容体発現は分化に伴い低下することを確認した。 2.IFN-γは培養14日目細胞、28日目誘導好酸球の活性化マーカー(CD69)の発現を誘導した。またIFN-γはこれらの分化段階の好酸球の生存を抑制しなかった。この培養14日目細胞におけるIFN-γのCD69の発現誘導に関しては、JAK2特異的inhibitor AG-490による用量依存性の有意な抑制が認められた。結果をまとめ論文投稿中である。 3.誘導好酸球の分化制御機構を検討するため、血管内皮細胞を共存させてCD34陽性細胞を誘導した。血管内皮細胞由来のSCF,GM-CSFが好酸球の誘導を支持することを明らかにした。この結果はInt Arch Allery Immunol誌に公表した。 4.末梢血好酸球のIFN-γによるCD69の発現誘導を確認した。この際JAK2のリン酸化が誘導されることを確認した。またこの作用はAG-490で用量依存性に有意に抑制された。これらの結果はClin Exp Immunol誌に公表した。 これ以降の計画としては、IFN-γの好酸球に対する生物学的活性発現に関して、IFNγ受容体を介するJAK2-STAT1シグナル伝達系のうちSTAT1の関与をantisenseを用いて検討する予定である。また誘導好酸球前駆細胞の細胞周期に対するIFN-γの作用を検討する予定としている。
|