研究概要 |
HGF、TGFα両トランスジェニックマウスを繁殖させた.TGFαマウスでは胃における低酸状態,粘膜上皮細胞の増殖とそれによる粘膜肥厚が確認された.HGFマウスについては,肉眼的表現型としてはなんら変化はないが,胃粘膜での発現も亢進しており,潰瘍形成,修復過程におけるin vivoにおける反応は不明である.まず、一定の条件での安定した潰瘍作成のため、コントロールマウスに対し,ネンブタール麻酔下に開腹し、胃角部より幽門側の漿膜側に酢酸を濃度を振って0.05ml注入した.99%酢酸ではほぼperforationを起こしてしまうため,70%,50%,30%と濃度を低下させ同様に潰瘍作成実験を行ない30%でも潰瘍を発症せしめたが,大きさが安定しなかった.その後方針変更し液体窒素による凍結小プローブによ漿膜側凍結により潰瘍を安定に発生させることができた.現在この潰瘍における欠損粘膜,潰瘍修復の速度,修復粘膜における血管新生の程度につき,組織学的,トランスジーン自体の発現,VEGFおよびその受容体の発現を確認中である.このうち少なくともTGFαマウスにおいてはそのレセプターであるEGF-Rは発現の亢進は見られなかった.一年以内にこれらの組織学的,分子生物学的検討を行い公表する.
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