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1999 年度 実績報告書

エンテロペプチダーゼの発現調節機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 11670479
研究機関東京大学

研究代表者

矢作 直久  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90292937)

キーワードエンテロペプチダーゼ / ノーザンブロッティング / RT-PCR / 免疫組織染色
研究概要

各臓器におけるエンテロペプチダーゼの局在をみるためのNorthern Blottingの検討では、十二指腸にのみ約4.4kbのエンテロペプチダーゼmRNAのシグナルが見られた。さらに微量な発現を確認するために行ったRT-PCRによる検討では、Northern Blottingと同様に、ます十二指腸においてシグナルが見られたが、反応のサイクル数を3〜4回増やすことにより、空腸および回腸においても同様のシグナルが検出された。一方、合成基質を使用た酵素活性の測定では、十二指腸にのみ著しい活性が見られ、上部空腸での活性は僅かであり、それ以下の部位にはほとんど活性は認められなかった。今回我々が作成したエンテロペプチダーゼに対する特異抗体による免疫組織染色では、brush borderに一致した染まりが見られたが、その染色性には活性のデータと同様に十二指腸から回腸にかけての明らかな勾配が見られ、十二指腸で強い染色が見られたが、空腸、回腸での染まりはわずかであった。これらはの蛋白レベルでの発現のデータは、RT-PCRによる遺伝子レベルでの本酵素の発現のデータに添うかたちであり、本酵素の発現調節は翻訳レベルではなく転写レベルでなされているものと推測された。また、エンテロペプチダーゼ発現の主座である十二指腸粘膜局所に注目してみると、villiの頂部での染まりが最も強く基部に行くに従って染色性が弱くなり、cryptの部分では全く染色が見られなかった。そこで、十二指腸粘膜局所での垂直方向における発現の違いを遺伝子レベルで調べるために、十二指腸粘膜の上皮のみを剥離し、上皮をvilliとcryptの部分に分けてRNAを抽出し、RT-PCRを行ってみると、やはりvilliの方にのみシグナルが見られ、cryptの方にはシグナルは見られなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M. Sugiyama: "Endoscopic resection of adenoma of the minor papilla"Hepatogastroenterology. 46. 189-192 (1999)

  • [文献書誌] M. Matsushima: "Purification and further characterization of enteropeptidase from porcine duodenum"Journal of Biochemistry. 125. 947-951 (1999)

  • [文献書誌] 辻 正弘: "インフォームドコンセントの実際 上部消化管内視鏡検査"内科. 83. 1019-1021 (1999)

  • [文献書誌] 矢作 直久: "ベッドサイドの Gastroenterology 8.ベツドサイドの内視鏡検査法"内科. 83. 958-960 (1999)

  • [文献書誌] 一瀬 雅夫: "成体ラット消化管上皮組織分離法および胃幽門腺上皮組織無血清単独初代培養系の確立"Therapeutic Research. 20. 161-167 (1999)

  • [文献書誌] 矢作 直久: "救急に必要な症候の鑑別とファーストエイド 14.しゃっくり 救急当直ガイド"臨床医. 25. 866 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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