研究分担者 |
前川 久登 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10301102)
光井 洋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30239280)
小池 和彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80240703)
当間 重人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50207528)
青木 克己 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40291322)
|
研究概要 |
(1)対象症例におけるHBV-DNAの全塩基配列の解析 ウイルス側の要因を比較するため、免疫抑制剤の投与により劇症化した症例群:A群(13例)と免疫抑制剤の投与後も劇症化しなかった症例群:B群(11例)について、血清からHBV-DNAを抽出し、PCR法にて増幅し、サブクローニングを行い、全領域の塩基配列の解析を行った。A群、B群ともに、pre-c領域,core領域,core promotor領域,polymerase領域,envelope領域において、核酸変異数とアミノ酸変異数には有意な差異は認められなかった。この2群とも、対照のHBeAg陽性無症候性キャリア群や慢性肝炎群と比べると、有意にすべての領域で、核酸変異数とアミノ酸変異数ともに増加していた。 (2)対象症例の血清・血漿中のサイトカイン・免疫応答関連因子の測定 ホスト側の免疫状態の差違を検討するため、劇症化したA群と劇症化しなかったB群について、,血清・血漿中のサイトカイン量(IL1,IL2,IL6,IL8,IL12,IFNγ,TNFα)や免疫応答関連因子発現量(Soluble FAS抗原、sICAM1)の測定を行った。これらの測定では血漿中IL-1、TNFα量において、有意にA群で増加していた。限られた症例の末梢血リンパ球の表面抗原(CD3,CD4,CD8,CD56.IFNγ)の発現をFACSにて測定したが、有意な差異は認められなかった。 (3)対象症例のHBV-DNAの培養細胞での発現 劇症化したA群と劇症化しなかったB群について比較すると、polymerase領域に一部に特異的に認められるアミノ酸変異があったため、この領域を含んだHBV-DNAを、培養細胞で発現させ、細胞回転や、ウイルス蛋白の発現を比較したが、有意な差異は認められなかった。
|