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1999 年度 実績報告書

PB経路に関わる分子のヒト肝細胞癌における異常の解析及びその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 11670497
研究機関京都大学

研究代表者

西田 直生志  京都大学, 医学研究科, 教務職員 (60281755)

キーワードPB遺伝子 / p16^<INK4A>遺伝子 / サイクリンD1遺伝子 / 肝細胞癌 / 細胞周期 / プロモーター / メチル化
研究概要

本研究では、RB経路の破綻が肝発癌過程に及ぼす影響について検討した。
各分化度の肝癌組織において、RB経路の分子としてRB、p16^<INK4A>、サイクリンD1の異常を解析した。解析は、従来種々のヒト腫瘍において用いられ、異常が報告されている方法に従った。すなわち、RB遺伝子は組織化学染色による発現低下の検出、p16^<INK4A>遺伝子はPCRを用いた欠失やPCR-SSCPによる突然変異およびPCRを用いたプロモーター領域のメチル化、免疫沈降、ウエスタンブロティングによる発現低下の検出、サイクリンD1は組織化学染色による過剰発現の検出を試みた。
RB蛋白の発現低下は40%の肝癌で認められ、その頻度は腫瘍のステージや分化度とは相関しない。p16^<INK4A>遺伝子の欠失や点突然変異は稀であるが、プロモーターのメチル化は47%に認められ、又蛋白レベルで検討しえた症例ではp16^<INK4A>蛋白発現の低下を伴う。またp16^<INK4A>遺伝子プロモーターのメチル化の頻度も腫瘍のステージや分化度とは相関しない。サイクリンD1に関しては遺伝子増幅や過剰発現は進行症例に多い傾向があるが、異常の頻度は少ない(11%)。
ヒト肝発癌において、サイクリンD1遺伝子異常は従来よりの報告どうり、その進展に影響を与える可能性が考えられる。一方、肝癌においてRB、p16^<INK4A>はプロモーターのメチル化や蛋白発現の異常などとして認められることが多く、比較的早期の肝癌より認められる。すなわち、RB、p16^<INK4A>異常にサイクリンD1の異常が加わり、より進展した腫瘍になることも推測できる。またp16^<INK4A>遺伝子プロモーターのメチル化は検討しえた範囲ではp16^<INK4A>蛋白発現の低下を伴い、肝癌におけるp16^<INK4A>遺伝子不活化の主要な機構であると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 西田直生志: "RB遺伝子"KEY WORD 2000-2001. 10-11 (1999)

  • [文献書誌] 勝間寛和 西田直生志: "肝発癌に伴う遺伝子異常"治療学. 33. 263-267 (1999)

  • [文献書誌] 西田直生志: "免疫学"メディカルサイエンス・インターナショナル. 10 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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