研究分担者 |
乾 由明 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294067)
田村 信司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30243223)
河田 純男 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90183285)
木曽 真一 大阪大学, 医学系研究科, 助手
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研究概要 |
私共はこれまで、VEGF受容体-1(Flt-1)のチロシンリン酸化部位を同定するとともに、同部位にPLC-g,SHP-2,Grb2,Crk,Nckがチロシンリン酸化依存性に結合することを示してきた。そして、Tyr1213およびTry1333をphenylalaninに置換したmutant受容体を発現させた血管内皮細胞を用い、この部位のチロシンリン酸化が、内皮細胞の増殖に必須であることを明らかにしてきた。また、もう一つの受容体であるKDRと共発現させることにより、VEGF刺激に対する反応性が更に亢進することを報告してきた。 一方、Tyr1213にチロシンリン酸化依存性に結合する27kDaの蛋白を見出し、cloningの結果マウスのGrap(Grb2-related adaptor protein)であることを明らかにしてきた。Grapは本来、hematopoietic cellで発現しており、c-kitのsignal伝達に関与していることが知られている。しかし、私共の研究では、検討した全ての血管内皮細胞においてもGrapが発現していることが明らかとなり、Flt-1のsignal伝達にも関与していることが示唆されている。更に、GrapのSH3 domainがc-CblやSos-1と結合することを見出し、現在その詳細を検討中である。
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