研究課題/領域番号 |
11670500
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田村 信司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30243223)
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研究分担者 |
伊藤 信之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30273668)
乾 由明 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294067)
河田 純男 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90183285)
木曽 真一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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キーワード | HB-EGF / 肝再生 / 肝細胞 / 増殖因子 / in vivo / 遺伝子治療 / HVJ-リポソーム |
研究概要 |
HB-EGFが初代培養肝細胞に対し強力な増殖促進作用を有し、部分肝切除後の残存肝において他の増殖因子と異なりDNA合成に先立ち発現することから、肝再生早期に重要な役割を果たしていることを報告してきた。また、マウスに対するHB-EGFの静脈内投与で正常肝においてHB-EGFのシグナルであるNF-kBおよびSTAT-3の活性化が惹起され、肝細胞の増殖が促進されることを明らかにした。これらの成果はHB-EGFが肝再生促進療法に応用し得ることを示していると考えられる。分泌型HB-EGF遺伝子導入の肝再生能に及ぼす促進作用を検討するため、まず分泌型HB-EGF発現ベクターを作成し、培養細胞に導入し、発現量を検討した。その結果、mRNAおよび蛋白の発現亢進が明らかになったた。この結果を受けて発現ベクターを大量に精製した。次にin vivoへの投与にさきがけ、HVJ-リポソームのマウス門脈内投与の肝障害性の有無を明らかにするため、ベクターのみを封入したHVJ-リポソームをマウス門脈より注入した。その結果、ASTに有意な変化は無く、また肝組織学的にも肝障害が無いことが明らかになった。この検討により、門脈内HVJ-リポソーム注入による遺伝子導入が可能であると判断した。現在、分泌型HB-EGFのin vivoでの発現量を検討するため、HVJ-リポソーム封入分泌型HB-EGF発現ベクターをマウスの筋肉内に局注し、その後の経時的な血中濃度の変化を検討中である。
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