研究課題/領域番号 |
11670502
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮崎 義司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303960)
|
研究分担者 |
筒井 秀作 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
金山 周次 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40185913)
篠村 恭久 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90162619)
北村 信次 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
|
キーワード | PPARγ / HB-EGF / amphiregulin / AP-1 / Ets / 増殖 / 分化 / 消化管上皮 |
研究概要 |
脂肪細胞の分化に重要な役割をはたす核内受容体、PPAR(peroxisome proliferator-activated receptor)γは消化管上皮細胞にも発現していることが知られている。本研究の目的はPPARγの消化管上皮細胞の分化、増殖、アポトーシスおける役割を明らかにし、PPARγリガンドによる胃癌、大腸癌治療の可能性を検討することである。 1.PPARγを高発現する大腸癌細胞株HT-29において、PPARγの活性化はG1 arrestをきたし、分化マーカーであるIAPならびにvillin遺伝子の発現を誘導した。 2.PPARγの活性化により、消化器癌の増殖進展に重要な役割を果たすことが知られているc-metチロシンキナーゼの発現が転写レベルで抑制されることを明らかにした。 3.さらに、変位型rasの過剰発現を伴う腸上皮細胞(前癌病変のモデル)にPPARγをcotransfectionして得られた細胞を用い、PPARγの活性化が細胞の増殖、分化、アポトーシスにどのように影響するかを検討している。PPARγの活性化は、我々が報告してきた細胞増殖あるいはアポトーシス耐性に関わる様々な遺伝子(HB-EGF,amphiregulin)の発現や転写因子(AP-1,Ets)の活性化を抑制し、Rasやb-cateninにより発現が増強するとされているcyclin D1の発現を抑制することを明らかにしている。
|