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2000 年度 実績報告書

サブトラクション法を用いた脂肪肝発症遺伝子の解析-自然発症脂肪肝マウスを用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 11670503
研究機関大阪大学

研究代表者

倭 英司  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20273667)

キーワード脂肪肝 / 発症遺伝子 / サブトラクション法 / NSYマウス
研究概要

NSYマウスは我々がすでに確立した2型糖尿病モデルマウスで、同時に脂肪肝を時間依存的に高率に発症する。本研究では疾患モデルとしてNSYマウス、コントロールとしてC3H/Heマウスを用いて、我々が開発したPCRを用いたサブトラクションクローニング法にて脂肪肝に特異的に発現が増加あるいは減少している遺伝子を単離した。また、従来の我々の方法では、PCRを用いるため増幅にsize fractionのバイアスがかかるのを防ぐため、制限酵素BamHIで切断したcDNAをtemplateとして実験に供したが、BamHIフラグメントのみの解析ではfalse negativeが生ずる可能性がある。そこで今回はBamHIとは認識配列が異なるHindIII切断によるcDNAフラグメントの解析も行なった。その結果、BamHIフラグメントの解析では、NSYマウスの肝臓で発現が増出している遺伝子として、3個の独立したクローンが得られた。既知遺伝子としてglurucuronyosyltransferase、1つはhuman ESTとhomologyがあり、1つは既知遺伝子とhomologyを認めなかった。逆に、NSYマウスの肝臓で発現が抑制されている遺伝子として4個の独立したクローンが得られた。既知遺伝子としてTFII-I、DRPLA、collagen type IV、あと1つは既知遺伝子とhomologyを認めなかった。Hind IIIフラグメントの解析では、NSYマウスの肝臓で発現が増加している遺伝子として、3個の独立したクローンが得られたが、いずれも既知の遺伝子とhomologyを認めなかった。NSYマウスの肝臓で発現が抑制されている遺伝子として、novel Ser/Thr phosphatase、HMG CoA reductase、translation initiation factor、IAP、また、1つは既知遺伝子とhomologyを認めなかった。
以上、脂肪肝にて発現が増減している遺伝子を単離同定した。現在、NSYマウスとC3H/Heマウスとの交配実験から脂肪肝発症遺伝子座が同定しつつあり、今回単離した遺伝子群とそれらの遺伝子座との照合により、新たに脂肪肝発症遺伝子が同定されるものと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ueda H: "Genetic analysis of late-onset type 2 diabetes in a mouse model of human complex trait."Diabetes. 48. 1168-1174 (1999)

  • [文献書誌] Hattori M: "Homologous recombination of the MHC class I K region defines new MHC-linked diabetogenic susceptibility gene(s) in NOD mice."J Immunol. 163. 1721-1724 (1999)

  • [文献書誌] Fujisawa T: "Association of plasma fibrinogen level and blood pressure with diabetic retinopathy, and renal complication associated with proliferative diabetic retinopathy in type 2 diabetes mellitus."Diabetic Med. 16. 522-526 (1999)

  • [文献書誌] Fujisawa T: "Length rather than a specific allele of dinucleotide repeat in 5'upstream region of aldose reductase gene is associated with diabetic retinopathy."Diabetic Med. 16. 1044-1047 (1999)

  • [文献書誌] Ueda H: "Age-dependent changes in phenotypes and candidate gene analysis in a polygenic animal medel of type II diabetes ; NSY mouse."Diabetologia. 43. 932-938 (2000)

  • [文献書誌] Ueda H: "Paternal-maternal effects on phenotypic characteristics in spontaneously diabetic Nagoya-Shibata-Yasuda mice."Matabolism. 49. 651-656 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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