• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

肝癌における腫瘍増殖因子による細胞周期停止とp27Kiplによる遊走化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11670541
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

長原 光  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50172549)

キーワードアポトーシス / TGF-β / 細胞周期停止 / ERK / Akt / 遊走能 / 肝癌
研究概要

肝細胞及び肝癌細胞の増殖制御機構についてはまだまだ未解明な点が多く、細胞外からの刺激や細胞内シグナル伝達系の重要な分子についての、特に相互作用に関する研究は不十分である。腫瘍増殖因子(以下TGF-b)は上皮細胞では細胞増殖に抑制的に作用するが、特に肝細胞や肝癌細胞に対してはアポトーシスを誘導する。我々はHuh2、Huh7、Hep3B、HepG2の4つの継代肝癌細胞株を用いてこれらに対するTGF-bの細胞増殖抑制作用を検討したところ、Huh2、Huh7、Hep3Bではアポトーシスが誘導され、HepG2ではG1期での細胞周期停止がみられた。また肝細胞増殖因子(HGF)投与によりHepG2では同様にG1期停止が観察された。Huh2、Huh7、Hep3BのアポトーシスはHGF、上皮増殖因子(EGF)の前投与により回避されたが、FACSによる解析で細胞は増殖せずG1期で停止していることが判明した。さらにHGFやEGFの前にERK阻害剤のPD098059やAkt阻害剤であるLY294002を投与しておくとアポトーシスが再度誘導された。またHepG2細胞をLY294002、PD098059で前処理した後TGF-bを添加するとやはりアポトーシスが生じた。これらの結果はTGF-bによるアポトーシス誘導は肝癌細胞では一般的な現象であり、HepG2細胞においても恒常的に活性化しているERKやAktの経路を遮断してやると同様にアポトーシスを誘導できた。さらにアポトーシスを回避するにはERK,Aktの両者の活性化が必要であり、しかもこの時細胞がG1期で細胞周期停止を来たしていることを考えるとTGF-bは通常アポトーシスとG1期での細胞周期停止により細胞増殖を抑制していることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hikaru Nagahara et al.: "Transforming growth factorβ targeted inactivation of cyclin E : cyclin-dependent kinase2(Cdk2) complexes by inhibition of Cdk2 activating kinase activity"Proc.Natl.Acad.Sci.. 96. 14961-14966 (1999)

  • [文献書誌] Gius D, Ezhevsky SA, Becker-Hapak, Hikaru H, et al: "p16 Ink4a peptides inhibit hypo-phosphorylation of the retinoblastoma protein and cell cycle progression prior to activation of Cdk2 complexes in late G1"Cancer Res.. 59. 2577-2580 (1999)

  • [文献書誌] Tomoko Aso, Hikaru Nagahara: "Mokcular Mechanisms for TGF-β *** growth suppress*** *** hepatoceel*** *** cell ***"Hepatology. 32. 335 (2000)

  • [文献書誌] Koj, Ishid, Hikaru Nagahara: "Synthetic Polymer,PVLA,nescued anoikis in rat hepatoytes"Hepatology. 32. 337 (2000)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi