本研究は、抗癌剤耐性に関与する新規ATP binding cassette(以下、ABC)膜輸送蛋白質であるアンソラサイクリン耐性関連蛋白質(anthracycline resistance-associated protein;以下、ARA)および多剤耐性関連タンパク質6(multidrug resistance-associated protein 6;以下、MRP6)が、肝癌細胞の抗癌剤耐性にいかに関与するのかを解明することを目的とする。 1.肝癌細胞におけるARAとMRP6遺伝子の発現パターンと発現量 ヒト肝癌培養細胞HepG2、Huh7、PLC/PRF/5、HCC-T、HCC-MからmRNAを抽出、精製した。ARAとMRP6遺伝子に対するprimerをデザイン・作製しRT-PCRを行った。これら全ての肝癌細胞にARA・MRP6遺伝子が発現していることをRT-PCRで確認した。さらに、ノーザンブロット法、RNase protection assay法を用いてARA・MRP6遺伝子の発現量を測定中である。 2.抗癌剤耐性肝癌細胞におけるARAとMRP6遺伝子の増幅 抗癌剤耐性肝癌細胞を樹立するため、上記ヒト肝癌細胞を抗癌剤添加培地で培養中である。
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