喘息患者71例と健常人71例の末梢血白血球よりDNAを抽出し、FLAPのpromoter領域(-170〜+46b)をPCRで増幅しPCR産物をsequenceした。またABI model 310を用いてGene Scanを行いその多型性(PCR産物のsize)を検討した。FLAPのpromoter領域(-95〜-73b)には、モノヌクレオチド反復配列(A repeats)が見られ、21塩基AAA(+/+)と18塩基AAA(-/-)の多型が見られた。 今回ペプチド性ロイコトリエンの生成に必須の分子であるFLAP遺伝子のpromoter領域の遺伝子多型と喘息の発症との関わりがはじめて明らかになった。喘息患者にはAAA(+/+)遺伝子多型が有意に多く、また健常人にはAAA(-/-)遺伝子多型が多い傾向が見られた。本研究によりFLAP-promoterの遺伝子多型が喘息の発症に関与していることが明らかとなった。今後このような疾患に関連する遺伝子マーカーを更に発見し、多因子性疾患である喘息発症の予知への道を開きたい。
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