研究概要 |
平成12年度は、ロイコトリエンの受容体のCys-LT1Receptor(Cys-LT1R)の遺伝子多型をSSCP法で気管支喘息患音132例と健常人141例で検討を行った。【結果】Cys-LT1Rには翻訳部位から927にT to CのSNPがみられた。Cys-LT1Rは、男性ではTまたC、女性ではT/T,T/C.C/Cの遺伝子型があり、これらの遺伝子型の頻度は健常人とアスピリン喘息または非アスピリン喘息のいずれも統計学的には有意差が見られなかった。また、翻訳部位から492にA to GのSNPが見つかったが、健常人50例中1例のみにみられ喘息患者132例中1例もみられなかった。927T to Cと492A to Gのいずれもアミノ酸変異を伴わないSNPsであった。 また平成11年度の結果のFLAP-promoter遺伝子多型と喘息の関係をさらに発展させて小児喘息の寛解例37例でFLAP-promoter遺伝子多型を調べた。FLAP-promoter遺伝子多型AAA(+/+),(+/-),(-/-)の頻度はそれぞれ、喘息群73.2%、20.8%、5.6%寛解群64.9%、27.0%、8.1%健常人群54.9%、31.0%、14.1%で統計学的にはAAA(+/+)において喘息群は健常人より頻度が高かった(p=0.035)。統計学的な有意差はみられなかったが、寛解群は、喘息群と健常人群の間の値だった。今後症例を増やして検討したい。
|