研究課題/領域番号 |
11670577
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷本 安 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (60284098)
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研究分担者 |
武田 勝行 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10304346)
片岡 幹男 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50177391)
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キーワード | 好塩基球 / 末梢血幹細胞 / IL-3 / FcεR / FcγR / ヒスタミン |
研究概要 |
平成11年度は、末梢血幹細胞を用いてヒト好塩基球上のFcεRやFcγRの機能解析を可能にするようなヒト好塩基球の大量高純度培養・分離法の確立を目指した。悪性リンパ腫や肺癌患者から末梢血幹細胞移植の目的で採取された単核球(CD34_+ cell; 0.8〜5%)を種々の濃度のIL-3存在下に培養した。5ng/mlのIL-3では培養3週後に35〜80%の細胞が好塩基性細胞となり、特にCD34_+ cellの比率の高い単核球からは多数の好塩基性細胞が培養された。10ng/ml以上のIL-3では好塩基性細胞の比率・細胞数ともに増加はみられず、5〜10ng/mlが至適濃度と考えられた。平均1.83pg/cellのヒスタミンを含有し、電子顕微鏡所見から好塩基球と考えられた。一方、臍帯血単核球からの培養とは異なり、好酸球の混在は殆どみられなかった。flow cytometryによる免疫グロブリンレセプターの検討ではFcεRIおよびFcγRIIが豊富に発現していた。このFcεRIの架橋により速やかな細胞内Ca濃度の上昇とヒスタミン遊離が認められた。immunomagnetic beadsを用いたnegative selectionにより好塩基球の純度は95%以上となり、10^8個の単核球から最終的に10^7個以上の好塩基球を得ることが可能であった。以上より、我々の方法で得られた末梢血幹細胞培養好塩基球は形態学的にも機能的にも成熟した好塩基球であり、FcεRやFcγRの機能解析に有用と考えられた。
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