研究課題/領域番号 |
11670588
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
相良 博則 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80275742)
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研究分担者 |
中島 宏和 獨協医科大学, 医学部, 助手 (10275753)
沼尾 利郎 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60172748)
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キーワード | サーファクタント / 気管支喘息 / 気道上皮 / SP-A |
研究概要 |
SP-A KOマウスの作成に努めながら、その前提となる喘息肺におけるサーファクタント異常の解明およびin vitroでの炎症細胞、気道上皮とサーファクタントの相互作用の検討に努めた。SP-A KOマウスについては残念なから当大学動物実験研究センターの大修繕計画と重複し、いまだ途上である。これまでの実験結果から得られたことは、ステロイド治療は、喘息モデルに見られたプールサイズや脂質組成、サーファクタント代謝等の異常をほぼ回復させたことや喘息肺サーファクタントの分画の中で増加しているLyso-PCは気道上皮の炎症サイトカイン産生増強効果を示すことなどの新しい知見が得られた。また気管支喘息患者の気道粘膜生検像の免疫組織科学的検討から、SP-Aの発現の局在を見出して喘息の重症度と有意に相関し、各接着分子との関連および細胞表面分子についても検討を加えた。また、気管支喘息患者のBALF液解析では抗原チャレンジによって有意な好酸球増多、機能的サーファクタントの減少、サーファクタント表面活性の低下を認めた。炎症サイトカインSP-A、サーファクタント脂質が気道上皮とお互いに関連しあってサイトカイン産生の抑制などを介してアレルギー性炎症を制御している可能性を示唆させる所見が得られた。現在は喘息肺においても、質、量的な異常についての動物モデルではサーファクタントの変化と気道過敏性の関連性について検討を続けている。
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