研究概要 |
本年度は、インフルエンザウイルス感染による気道上皮細胞からのIL-8産生を制御する細胞内シグナルを解析した。インフルエンザウイルス感染による気道上皮細胞のp38 MAP kinase,JNK,extracellular signal-regulated kinase(Erk)の活性をWestern blotで解析し、p38 MAP kinaseの特異的阻害薬SB 203580、JNKの特異的阻害薬CEP-1347、Erkの上流のMEK-1の特異的阻害薬PD98059のキナーぜ活性への影響とIL-8産生への影響を検討した結果、IL-8産生はErkとJNKで制御されていることが明かとなり、昨年度明らかにしたRANTESがp38 MAP kinaseとJNKで制御される成績とことなった細胞内シグナル分子が関与することを明らかにした。抗ウイルス薬のアマンタジンのサイトカイン産生に及ぼす影響を解析し、アマンタジンはIL-8,RANTES産生を抑制した。この成績はアマンタジンのウイルス脱核抑制作用を介してウイルスの増殖を抑制するのでインフルエンザウイルスによるサイトカイン産生はウイルスの増殖と関連することも示唆した。アポトーシスはASK-1/JNK pathwayが関与する成績を得ており現在、その詳細を解析中である。
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