研究概要 |
家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であるプレセニリン-1(PS1)が神経成長因子受容体(Trk)に及ぼす影響を検討した。PS1を発現している野性型の神経芽細胞腫細胞(SH-SY5Y)、正常PS1を過剰強制発現した神経芽細胞腫細胞(SH20-3)、変異型PS1を発現した神経芽細胞腫細胞(SH-34.5)、mock(SH33-1)の各々の培養細胞を用いた。NGFで一定時間刺激後lysis buffer(20mM HEPES,pH7.2,1%Nodidet P-40,10%glyserol,50NaF,1mM phenylmethylsulfonyl fluoride,1mM Na3VO4,10μg/ml leupeptin)で可溶化、抗Trk抗体で免疫沈降し、抗一燐酸化チロシン抗体(α-PY)、抗Trk抗体でイムノブロットを行った。各細胞に発現しているTrkの蛋白量には差異を認めなかったが、野性型PS1を過剰発現したSH20-3では、mock(SH33-1)に比べて明らかにNGFに対する反応性の低下を認めた。TrkとPS1との間にクロストークが存在することが明らかになった。変異型PS1発現のSH34.5における反応は検討中である。またTrkの細胞表面上での分布も検討する予定である。
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