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1999 年度 実績報告書

ヒト8型ヘルペスウイルスのケモカイン様遺伝子によるエイズ脳症の予防機序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670618
研究機関山梨医科大学

研究代表者

照沼 裕  山梨医科大学, 医学部, 講師 (50217436)

研究分担者 岩谷 靖雅  山梨医科大学, 医学部, 助手 (90303403)
石田 尚臣  東京大学, 医科学研究所, 助手 (80293447)
キーワードヒト8型ヘルペスウイルス / ケモカイン / エイズ / カポジ肉腫
研究概要

HHV-8はカポジ肉腫組織よりカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスとしてその遺伝子断片が発見され,その後,カポジ肉腫をはじめとし,Castleman氏病,B細胞リンパ腫などに関与するウイルスであることが報告されている.また,HHV-8の遺伝子にはサイトカイン,ケモカイン,細胞周期の制御に関するヒト細胞遺伝子ホモログ(vIL-6・vIL-7・vIL-8R・vMIP-1s・vbcl-2・vcyclinなど)が存在することがわかっており,これらの遺伝子ホモログが上記の病気の発症に大きな役割を果たしていると考えられている.興味深いことに,HHV-8に感染しているカポジ肉腫の患者ではエイズ脳症の発症率が低くなるとの疫学的報告が出された.そして,そのメカニズムとして,HHV-8が持つケモカイン様遺伝子ホモログ(vMIPs)によりHIV-1のmicrogliaへの感染が阻害されているのではないかと推測している.しかしながら,vMIPsが実際にmicrogliaやmacrophageへのHIV-1の感染阻害に働いているのかどうか,vMIPsは中枢神経系内で直接に働いているのか,未梢血中でのmonocyteへのHIV-1の感染阻止に働くことでエイズ脳症の発症を抑えている可能性はないのか,この様なケモカイン遺伝子のホモログを使ってエイズ脳症やHIV感染症の進行を予防できる可能性があるのかどうかなどは全くわかっていない.我々はカポジ肉腫患者の検体を使い,その可能性についての検討を開始した.現在までに2年間の無症候性のHIV感染者140人のフォローアップおよびカポジ肉腫患者83人を調べたが、脳症を発症している患者は確認できなかった。これらの症例のサンプルは今後のvMIPの解析などのために保存されている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Fleming, A. F., Terunuma, H., Tembo, C., Mantina, H.: "Leukaemias in Zambia"Leukemia. 13. 1292-1293 (1999)

  • [文献書誌] Matondo, P., Terunuma, H.: "Ulna claw hand as a complication of herpes zoster"CME BULLETIN Sexually Transmitted Infections & HIV. 3. 53-54 (1999)

  • [文献書誌] Sugiura, Y., Terunuma, H., Yamamoto, T. et al.: "Host immune profiles and genotyping analysis of HIV-1 among Japanese hemophiliac patients"Fukushima Journal of Medical Science. 45. 53-62 (1999)

  • [文献書誌] 照沼裕,沼崎義夫: "ザンビアにおけるエイズ治療の足掛かり"化学療法の領域. 16. 483-488 (2000)

  • [文献書誌] He, L., Terunuma, H., Tanabe, F. et al.: "IL-18 and IL-1 β productions are decreased in HIV-1-seropositive haemophiliacs but not in HIV-1-seropositive non-haemophiliacs"AIDS Research and Human Retroviruses. 16. 345-353 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2014-02-19  

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