研究概要 |
我々のα-マンノシドーシス患者にはR760Xのナンセンス変異が認められた。^<2)>同変異を持つα-マンノシドーシスの病態を解明する目的で、我々が同定した2個の遺伝子変異を含む4個の異常なヒトα-マンノシダーゼ(α-Man)cDNAを作製し、HEK293細胞に導入し同cDNA(mRNA)を常に大量に産生している細胞株を単離した。本細胞株を用いたα-Man蛋白の酵素学的解析により、蛋白レベルでの患者の病因解明が可能である。 研究実績:(1)ヒトα-Man蛋白のアミノ酸第608-619番の12個の合成ペプチドを合成し、家兎に注入して抗α-Man抗体を作製した。(2)PCRを用いて、正常ヒトα-Man cDNAに変異を導入し、異常なヒトα-Man cDNAを作製した(R750W,Y660X,R760X,E863X)。(3)正常及び作製した異常ヒトα-Man cDNAをPIRES/Puroベクターに挿入し、HEK293細胞にカルシウム-リン酸法で導入した。同細胞をピューロマイシン(Puro,5μg/ml)でセレクションし、Puro耐性細胞株を各々3個ずつ単離した。酵素活性の測定のみならず、ウェスターン解析により、終止コドンが同蛋白質のサブユニット構成と生理活性にどの様な影響を与えるか解析中である。尚、α-マンノシダーゼのノックアウトマウスの作製は、本研究を開始してまもなく海外の他施設より報告されたので、同研究は断念した。
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