研究概要 |
研究方法:全て未治療のパーキンソン病(PD)患者15例,筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者10例,アルツハイマー型痴呆(ATD)患者15例および神経疾患を有しない正常対照群20例を対象とし,腰椎穿刺で得られた髄液中の3-nitrotyrosine(3-NT)およびtyrosine(Tyr)濃度を高速液体クロマトグラフィー・クーロケム電気化学検出器により測定した。 研究結果: 1)3-NT濃度(nM)は,正常対照群(1.6±0.5),PD群(1.6±0.7),ALS群(8.8±4.7),ATD群(10.9±6.1)で,ALSおよびATD群では正常対照群に比し有意に増加していた(各々,p<0.0001)。 2)3-NT/Tyr(×10^<-4>)比は,正常対照群(2.5±1.0),PD群(2.4±1.0),ALS群(14.2±9.0),ATD群(17.9±9.1)で,ALSおよびATD群では正常対照群に比し有意に増加していた(各々,p<0.0001)。 3)ATD群では,痴呆スケール(Mini-Mental State Examination)と3-NT濃度(r_s=-0.56,p<0.05)および3-NT/Tyr比(r_s=-0.58,p<0.05)との間に有意な負の相関を認めた。
|