研究概要 |
対象・方法 未治療の弧発性脊髄小脳変性症患者35例(OPCA20例,60.5±7.1歳,CCA15例,63.3±6.7歳)および正常対照群25例(67.0±11.1歳)を対象とし,腰椎穿刺で得られた髄液中の3-nitrotyrosine(3-NT)およびTyrosine(Try)濃度を高速液体クロマトグラフィー・電気化学検出器を用いて測定した. 結果 1.髄液中3-NT濃度(nM)は,正常対照群1.6±0.5、OPCA群1.7±0.9,CCA群1.4±0.9で3群間に有意差を認めなかった. 2.髄液中Try濃度(nM)は,正常対照群6.1±1.0,OPCA群5.9±1.5,CCA群5.8±1.4で3群間に有意差を認めなかった. 3.髄液中3-NT/Try比(×10^<-4>)は,正常対照群2.6±1.0,OPCA群2.9±1.5,CCA群2.5±1.3で3群間に有意差を認めなかった. 結論 弧発性脊髄小脳変性症(OPCA, CCA)の病態に一酸化窒素はとくにperoxnitrite(ONOO^-)が関与することを示唆する所見は得られなかった.
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