• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

心不全時の心筋興奮収縮連関異常を、どの心不全治療薬が改善しうるか?

研究課題

研究課題/領域番号 11670684
研究機関山口大学

研究代表者

矢野 雅文  山口大学, 医学部, 助手 (90294628)

研究分担者 大草 知子  山口大学, 医学部, 助手 (00294629)
キーワード心不全 / 筋小胞体 / リアノジン受容体 / カルシウム
研究概要

平成11年度、頻脈誘発性犬心不全モデル(高頻度右室Pacing,250bpm)において、心筋興奮収縮連関異常のメカニズムを心筋小胞体機能の面から検討した。心不全では、1)筋小胞体(SR)のCa^<2+>放出channelであるリアノジン受容体(RyR)に特異的なligandであるポリライシンによるCa^<2+>放出能、また2)L型Ca^<2+> channelアゴニストのBay y-5959による、または化学的脱分極刺激を介したCa^<2+>依存性Ca^<2+>放出能、のいずれも低下していた。この際L型Ca^<2+> channelの数(Bmax)や親和性(Kd)には不全心と正常心の間に差がないためRyR自体の機能的異常が示唆された。一方、RyRには修飾蛋白であるFKBP12.6が1:4(RyR:FKBP12.6)のstoichiometryで結合しているが、心不全では1:4から1:1程度まで減少しており、その結果、RyRのchannel stabilityが失われ、RyRの構造変化を介して、異常なCa leakを生じていることが判明した(第72回 American Heart Association(平成11年11月)発表)。さらに、このRyRのchannel stabilityの低下はCa放出能低下の原因となっている可能性も示唆された(第64回日本循環器学会発表(平成12年3月))。本研究により、RyR-FKBP12.6 interaction障害による心機能低下という新しい心不全発現機序の可能性が示された。平成12年度は、さらに各種心不全治療薬が、この心筋興奮収縮連関異常の重要な原因と考えられるRyR channel stabilityの低下を改善するか否かまたその結果心機能が改善するか否かを検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Taketo Tanigawa et al: "Mechanism of preserved positive lusitropy by cAMP-dependent drugs in heart failure"American Journal of Physiology. 278. H313-H320 (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi