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2000 年度 実績報告書

キマーゼによる新規血管作動性エンドセリン産生と動脈硬化

研究課題

研究課題/領域番号 11670685
研究機関徳島大学

研究代表者

中屋 豊  徳島大学, 医学部, 教授 (50136222)

キーワードエンドセリン / キマーゼ / 動脈硬化 / 血管平滑筋 / 血管内皮 / アンギオテンシン
研究概要

我々はヒトキマーゼによりbigエンドセリン(ET)-1が31個のアミノ酸からなる新規ペプチドを産生することを見出した。今回の研究ではこのペプチドの生理作用を検討した。
1)新規エンドセリン{ET-1(1-31)}の血管収縮に対する作用
ET-1(31)は血管を10^<-8>M以上で濃度依存性に収縮した。その作用は従来のエンドセリン{ET-1(1-21)の数十分の1の強さであった。血管内皮細胞における一酸化窒素(NO)産生能についてはET-1(1-31)がやや弱い作用であった。ET-1(1-31)の作用は血管平滑筋においてはET_A受容体の阻害薬(BQ-485)で抑制され、内皮のNO産生はET_B受容体阻害薬(BQ-788)により抑制された。また、手術標本を用いてヒトにおいてもET-1(1-31)は収縮作用を持つことも報告した。
2)動脈硬化病変におけるET-1(1-31)の局在
ET-1(1-31)の抗体を作成し、ヒト冠動脈硬化病変、頸動脈病変におけるキマーゼ、mast cellおよびET-1(1-31)の局在を検討した。正常血管においては、ET-1(1-31)はわずかに外膜側にみられるのみであったが、動脈硬化部位にはET-1(1-31)およびmast cellが多数見られた。免疫染色によりキマーゼとET-1(1-31)は、同時にヒトmast cell内に存在しており、mast cellがET-1(1-31)を産生している可能性が考えられた。また、これらの所見は動脈硬化の進行との関与が考えられた。
また、血中および組織のET-1(1-31)の測定方法を開発した。急性心筋梗塞の患者においては、ET-1(1-21)と異なり、血液中のET-1(1-31)濃度が長期間高い値を示しており、ET-1(1-31)が心筋梗塞後のリモデリングにも重要な役割を果たしていることが示された。剖検例での検討では、心筋梗塞をおこした心筋組織においては非常に高い値を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Niwa Y,Nagata N,Oka M,Toyoshima T,Akiyoshi H,Wada T,Nakaya Y: "Production of nitric oxide from endothelial cells by 31-amino-acid-length endothelin-1, a novel vasoconstrictive product by human chymase."Life Sci. 67. 1103-1109 (2000)

  • [文献書誌] Takeji T,Nakaya Y,Kamada M,Maeda K,Saijo Y,Mitani R,Irahara M,Aono T: "Effect of a novel vasoconstrictor endothelin-1(1-31) on human umbilical artery"Biochem Biophys Res Commun. 270. 622-624 (2000)

  • [文献書誌] Nagata N,Niwa Y,Nakaya Y: "A novel 31-amino-acid-length endothelin, ET-1(1-31) , can act as a biologically active peptide for vascular smooth muscle cells"Biochem Biophys Res Commun. 275. 595-600 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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