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2000 年度 実績報告書

心筋組織と血管壁におけるアドレノメデュリンの役割の解明と治療学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 11670695
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

加藤 丈司  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20274780)

キーワードアドレノメデュリン / PAMP / 細胞内Ca伝達系 / 心筋細胞 / 心筋肥大 / 心線維芽細胞 / 心筋リモデリング / 局所調節因子
研究概要

目的と方法:AMは強力な降圧作用を有する生理活性ペプチドであり、PAMPはAMの前駆体ペプチドから生成され、AMと同様に降圧作用を有するペプチドである。我々は、AMが局所調節因子として心筋細胞の肥大を抑制し心線維芽細胞の増殖を抑制することを報告した。本研究では、これらの細胞からの1)PAMPの分泌、2)AMの分泌におけるprotein kinase C(PKC)とCa-カルモジュリン系の関与を検討した。結果:新生児ラットから心筋細胞と心線維芽細胞を単離・培養してPAMPの分泌を観察したところ、これらの細胞からAMのみでなくPAMPが分泌されていた。アンジオテンシンII(AngII)やウシ胎児血清などの液性因子により分泌が亢進し、HPLCによる解析では分泌されたPAMPはrat PAMP(1-20)であった。つぎに、培養心筋細胞にPKCやCa-カルモジュリン系のagonistまたはantagonistを添加して、AMの分泌とpreproAM遺伝子発現を観察した。培養心筋細胞からAM分泌とpreproAM遺伝子発現は、フォルボルエステルやCaイオノフォアにより増加し、これらの増加はPKC阻害薬やCaチャンネル拮抗薬により抑制された。結論:心筋細胞および心線維芽細胞がAMとPAMPを産生・分泌しており、AngIIやウシ胎児血清などの心筋細胞を肥大させる因子はAMとPAMPの分泌を亢進させた。心肥大促進因子はPKCやCa-カルモジュリン系を介して心筋を肥大させるが、これらの細胞内伝達系は同時にAM分泌を亢進させる。分泌されたAMは心筋細胞の肥大を抑制し心線維芽細胞の増殖を抑制することを考慮すると、AMが心肥大や心筋リモデリングに対して抑制的に作用している可能性が高い。現在、心筋の肥大やリモデリングに対してAMの臨床応用の可能性を検討する基礎研究を展開しつつある。一方、心筋におけるPAMPの役割も今後の重要な研究課題であろうと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] TSURUDA,T., et al.: "Roles of protein kinase C and Ca2+-dependent signaling in angiotensin II-induced adrenomedullin production in rat cardiac"J Hypertens. (in press). (2001)

  • [文献書誌] TSURUDA,T., et al.: "Secretion of proadrenomedullin N-teminal 20 peptide from cultured neonatal rat cardiac cells."Life Sci. (in press). (2001)

  • [文献書誌] YAMAKAWA,H., et al.: "Diastolic wall stress and ANG II in cardiac hypertrophy and gene expression induced by volume overload."Am J Physiol.. 279. H2939-H2946 (2000)

  • [文献書誌] TSURUDA,T., et al.: "Enhanced adrenomedullin production by mechanical stretch in cultured rat cardiomyocytes."Hypertension. 35. 1210-1214 (2000)

  • [文献書誌] HIRANO,S., et al.: "Differential responses of circulating and tissue adrenomedullin and gene expression to volume overload."J Card Fail. 6. 120-129 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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